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2005年9月 4日 (日)

総選挙と「YES! PROJECT」

YES! PROJECT というのがある。グロービスの堀義人さんが呼びかけ人となって始められた運動だ。

意外かも知れないが、僕はこの運動に素直に賛同できない。堀さんは知らない人ではないし、パワフルな起業家たちによる運動を敵に回すつもりはないし、ケチをつけたいわけでもない。しかし、民主主義社会の実現を切に願う一人として、黙っているわけにはいかない。

ちなみに、YES というのは Young Entrepreneurs Society (若手起業家の仲間)の略称だが、同時に

選挙に行きますか? YES!
改革をしたいですか? YES!
もっと発言しますか? YES!

という3つの「YES運動」を表している。

別にケチをつけるような悪い運動ではない。いやむしろ、これまで政治に関心の薄かった20~40代前半のブログ世代の若手に、政治参加を呼びかけるという意味では、立派ですばらしい運動ではないか。しかも、政治とは無縁だったと思われるような、若手の経営者たちが発起人だ。

なぜ素直に賛同できないか?

1)選挙に行きますか?
 まだ迷っている。前回の総選挙(2003年11月)から2年も経っていないのに、また選挙。今回の解散は、小泉首相の政治的信条である「郵政民営化」を実現するためのわがままでしかない。それに「郵政民営化の是非を問う国民投票的選挙」というのは、総選挙を単一争点化する悪用だ。とはいえ結果的に現政権に有利になるので、野党に票を投じなければと思う一方で、投票に行けばそんな選挙自体を支持したことになるのでは、と迷うのだ。

2)改革をしたいですか?
 3つYESの中に「改革をしたい」という項目を含める意味がわからない。「改革」という言葉に、小泉政権の「改革」を訴え、改革の中身を示さないやり方を連想するからかもしれない。発起人に現政権を支持する意図がないとしても、何を「改革」するか、どのような状態に向けて「改革」するかを具体的に示さずに、「YES」と言うのは(あるいは言わせるやり方は)、同じレベルでしょう。「わが社を改革しよう」では経営者は務まらないのは、よくわかっているはずなのに。

3)もっと発言しますか?
 YES! これだけは素直にYES。ブログなど政治に発言する機会が増えるのはよいと思う。そういう面ではこのプロジェクトは積極的に支持したい。ついでに、ネット関連業界が圧力団体になって、公職選挙法の改正を働きかけてもらうのがよいかもしれない。市場も広がるし。(笑、素直じゃなくてごめんなさい)■

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