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2006年6月11日 (日)

自殺率 &d

日本国内の日本人の自殺者が、8年連続で3万人を超えたという。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2030709/detail

「自殺率の高い社会は民主的な社会とは言えない」などという乱暴な主張をするつもりはない。それに残念ながら、 「民主的な社会であれば自殺する人は少ない」という主張ですら、科学的に主張するのは難しい。 むりやり、デモクラシーに結びつけるのはよしておこう。

誤解を恐れずにいうと、自殺には何かの価値に殉じるような美しい自殺があるかもしれないが、大半はそうではない不幸の結果としての自殺なのだろう。そういう自殺が多い社会は、民主的かどうかは別として、良い社会とは言えない。

人口当たりの自殺率の国際比較は、1999年のデータのものが公表されている。(2005年、厚生労働省。※比較対象の国はこの記事末)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/11.html

これによると人口10万人当たりの自殺死亡率(男女計)は、ロシア(39.4人)、ハンガリー(32.6人)、がダントツで高いが、日本はその次に突出しており、25.0人。4番目はフランスの17.5人で、比較対象の中で最低はイタリアの7.1人となっている。

男子だけで見ると、やはりロシア、ハンガリーについで3番目だが、36.5人で、4位のフランスは26.1人と大きな差がある。

女子は、ハンガリーに次いで2番目に高く14.1名。ロシア(11.9人)が3位に入るが、やはり4位のフランス(9.4人)と比べても格差がある。

なにかと引き合いに出されるアメリカは、男女計10.7人,男子17.6人, 女子4.1人とかなり低い。(日本:男女計25.0人,男子36.5人,女子14.1人)

国民性と言われるような文化的な違いもあるだろうけれど、日本の自殺率は1990年代の終わりごろ(3万人を超えたのは1998年)に上昇した(男女計:'95年17.2人,'00年24.1人)。そのためにロシア、ハンガリーに次いで突出するようになった(ただし女子は以前から少し高めだった)。


交通事故死亡者数は、1988年から1995年まで「8年連続」で1万人を超えていたが、2005年はとうとう7000人を下回った。比較には無理があるかもしれないが対策に期待したい。

もっとも、対策以前に自殺を考えるような不幸な状況に追い込まれる人の少ない社会を目指したいし、身近な人がそういう状況に陥らないように、お互い助け合えるような関係をつくりたい。

[平成16年度交通安全白書より、交通事故死亡者数の時系列データ]

[2005年の交通事故死亡者数の記事]

※自殺率国際比較データの対象国: 日本、韓国、オーストラリア、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、ハンガリー、スウェーデン、ロシア、以上12カ国。

"&d"="and democracy": デモクラシーを切り口に様々なトピックを捉えるシリーズ。

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