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2006年6月 1日 (木)

プラーヌンクスツェレ &d

“プラーヌンクスツェレ”: 「計画のための細胞」(ドイツ語) 英語で“planning cell”

2006/05/31付の日経新聞(東京地方版)は、「まちづくりに参加意識 無作為抽出の市民ら討議」という記事を掲載した。それによれば、「まちづくりや行政政策の方向性を無作為抽出で選んだ住民により提言してもらう動きが東京都内で広がっている。」とのこと。その手法がドイツで行われている「プラーヌンクスツェレ」をモデルにしているのだそうだ。

日経の記事(図)によれば、「プラーヌンクスツェレ」の流れは次のようになる。

  1. 住民を無作為に抽出
  2. 抽出された市民に参加要請
  3. 議論テーマについて、賛否両面から情報提供
  4. 数人のグループに分かれて話し合い
  5. グループ替えしながら、話し合いをくり返す
  6. 提言のまとめ、公表

ウェブで「プラーヌンクスツェレ」を検索すると、千代田区で昨年実施された「市民討議会」の、「討議結果発表・意見交換会」に参加した方(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広 氏)による記事が見つかった。そのうち、「プラーヌンクスツェレ」の説明がされている部分を下記に引用しておく。
(全文はこちら http://www.la-npo.org/shucho/news/kyodo/news_kyodo20050819a.html )

●「市民討議会」には、実はモデルとなった手法がある。ドイツで行われている、「プラーヌンクスツェレ」である。日本の市民参加の研究者の間では、英訳された「プランニングセル(=計画細胞)」の名称で、むしろ知られている。
 公開フォーラムでは、「プラーヌンクスツェレ」の考案者であるペーター・C・ディーネル教授のもとで学んだ、篠藤明徳・別府大学教授により、ドイツでの実例の紹介もあった。ドイツでは、都市計画、交通・エネルギー・環境、外国人市民の統合、科学技術の影響など、多様な分野で300以上の実践例があるという。
 無作為抽出での参加、参加者への給与相当額の支払い、(委託元は行政でも)中立機関による運営、専門家からの情報提供、グループでの討議、投票による優先順位づけ、「市民答申」の作成・公表などが特徴である。
 1コマ90分の作業を、休憩を入れながら1日4回、4日間にわたって行うのがスタンダードだという。現地視察のプログラムもある。25名が1つの「細胞」の単位であり、グループ討議は、毎回メンバーを変えながら、5名ずつに分かれて行われる。

◆直接民主制のあり方として有効では?
現実的に、住民全員が参加するかたちの直接民主制は、ほとんどの市区町村レベルで無理だとすると、「無作為に選ばれた」住民(市民)が代表して議論するこの手法は、現実的な直接民主制のあり方として有効かもしれない。

◆ファシリテーターはおかない
補足ながら、床嶋氏の記事によると、「プラーヌンクスツェレ」ではファシリテーターは置かないそうで、千代田区の「市民討議会」でもファシリテーターはいなかったそうだ。

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