「民主主義は機能しているか」 &d
福岡で3年に1度の世界政治学会が開かれているらしい。
(報道記事/東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006070901002742.html
その大会テーマが「民主主義は機能しているか」。
Is Democracy Working?
(福岡大会のテーマについてのページ)http://wwwsoc.nii.ac.jp/jpsa2/ipsa/theme.htm
とてもよいテーマだとは思うが、プログラム委員長のメッセージを読んだかぎりでは、現代先進国が向き合うべきデモクラシー(民主主義)の新たな課題に焦点が当たっていない。
(20世紀までのデモクラシー)
デモクラシーの本質的なテーマは、社会の中で権力を持つ存在を、いかに社会の広範な人々によって支配統制するか、ということだ。20世紀末までに発達してきた「民主主義制度」は、政府権力について、ある程度このテーマを達成した。
(21世紀のデモクラシー)
ところが、20世紀末以降の先進民主主義諸国においては、大企業こそ、いまだ人々による支配統制を受けていない最大の権力なのだ。したがって、この分野の「民主主義制度」の構築こそ、21世紀に生きる私たちの世代にとってのデモクラシーの最大の課題なのだ。
(ギャップ)
思うに政治学などの研究者・専門家は、従来の政府に対するデモクラシーに接近しすぎている。そのため、既存の「民主主義制度」はそこそこ機能しているはずなのに、人々にはデモクラシーの実感がない、というズレが生じる。
デモクラシーの努力は、その時代・社会の権力に向けられなくてはならない、という単純な原則に、研究者・専門家は早く気づくべきだ。
"&d"="and democracy": デモクラシーを切り口に様々なトピックを捉えるシリーズ。
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