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2008年2月26日 (火)

薬害肝炎訴訟 &d

薬害肝炎訴訟は、昨年末の政治的決着を経て、今年初めの裁判の和解へと被害者の救済が大きく進展した。近年の日本の民主主義にとって、非常に大きな成果と捉えるべきだ。原告となった被害者や支援者、弁護団の皆さんの活動は、その点からも賞賛に値するし、被害者の皆さんに深い敬意を表したい。

今回の場合、行政(厚生省)の過失あるいは怠慢によって生じた被害の救済を求めて、裁判という手段で戦うことになった。裁判所は、裁判の長期化を避けるために和解の道を探ったようだが、決定的なポイントは、中途半端な和解案を原告団が蹴ったところだったように思う。

個人的には、原告団の大半が女性でなければ、こうはいかなかったのではないかと思う。男性的な感覚だと、国が相手なので妥協点として受け入れる判断を下したのではないか。もちろんこうした見方は偏見というべきだが、それぐらい最後まで筋を通した決着のつけかただった。

私たちは――決して私だけではない――国という巨大な権力を前にして、現実的な落としどころとも言うべき妥協をする思考を身につけてしまっていないだろうか? そうした迎合的な態度をみじんも感じさせない原告団が、結果的に国を動かした。こうした一つ一つの戦いの積み重ねが、民主主義を実体のあるものにしていくのだ。

肝炎と戦う一方で、国と戦った原告団の皆さんに、深く敬意を表したい。


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