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2008年10月

2008年10月27日 (月)

日経「やさしい経済学 人材育成と企業競争力」

先週から連載中の一橋大学 守島基博 教授の記事。
企業の人材育成に関わる人には、ご一読をお勧めします。

人材育成には「良質な経験」が重要である、というのが主旨のようです。

私を含めた企業の外部から人材育成を支援する立場の人にとっては、仕事を通じた経験(OJTとも言える)が大事だと言われると、研修のようなOFF-JTの役割が低下するので、賛同しがたい主旨に映るかも知れません。

しかし、そもそも研修などOFF-JTの占める割合は、年間平均2日間としても250日程度の勤務日のわずか0.8%でしかありません。残りの99%以上の時間が成長に結びつかなければ、人材が育たないのは明らかです。

したがって私たちには、1%程度でしかないことを踏まえ、
OFF-JTでしか習得・経験できないことに焦点を当てること、
実務での経験を効果的に学習(育成)に結びつけること

が、求められているのだと思います。

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2008年10月16日 (木)

従業員持ち株会

従業員持ち株制度は、従業員の業績への関心とモチベーションを高める効果がある。その一つである「従業員持ち株会」についての調査結果が、先週発表された。

東証(東京証券取引所)の従業員持株会状況調査(※1)によると・・・

  • 調査対象は従業員持ち株会のある1,844(※2)
    (東証上場内国会社2,390社の77%)
  • 持ち株会加入者一人当たりの平均保有金額は146万円
    (前年度比30%の減少)
  • 持ち株会加入者の割合は、46(※3)
  • 1,000円の拠出金当たりの奨励金の平均は76
    (50円または100円の会社が71%)
  • 持ち株会の保有金額比率は0.85
  • 持ち株会の保有金額比率が高い業種は
    ①「建設業 1.75%」、②「倉庫・運輸関連業 1.52%」
    など
  • ちなみにサービス業は 1.33%で33業種中7位

※1: 2008年3月末時点の調査。詳しくは下記URLを参照
http://www.tse.or.jp/market/data/examination/employee.html

※2: 証券会社4社のいずれかと事務委託契約をしている従業員持株会制度がある会社が対象

※3: 加入者の割合は必ずしも的確な数値ではない。
    〔持株会加入者数 ÷ 調査対象会社の従業員数〕 で計算されるが、従業員数には、
    「持株会社は連結」の従業員数、「それ以外は単体」の従業員数が用いられている。

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2008年10月11日 (土)

「論理的に『話す』技術」

仕事の場でわかりやすく話ができるようになりたい人に、ぜひお勧め。

実は、著者である大嶋友秀さんから「ベストセラーになってはいないが、いい本ですよ」とお勧めいただいた本なのだが、知人の著書だからと言ってお勧めしているわけではない。

「わかりやすく話す」ということについて、きわめて具体的に、実用に即した形で解説されている。とくに価値が高いのは、論理的であること」と「わかりやすい話」のギャップを埋めている点。PREP法という論理的な構成法を基本にしながら、むしろ「わかりやすい話」に焦点を合わせている。

ビジネスの場での「わかりやすい話」はふつう「論理的な話」と言い換えられる。しかし、これが曲者で、ロジカルシンキングのMECEやピラミッドプリンシプルを適用したからといって「わかりやすい話」になるわけではない。そういう疑問や不満を感じたことがないですか?

現実のビジネスの場、とくに「話し言葉」の場合には、厳密な論理性よりも、的確さや単純さ、納得感の方が重要ではないか? 私たちは、頭にすぅーっと入ってきて、記憶に残りやすい話のことを「わかりやすい話」と呼んでいるように思う。

「わかりやすい話」にするためには、文を短くする、要点を絞る、要点を繰り返す、数字を使う、比喩などを用いて想像力に訴える、など、論理的であること以外の要素が必要である。

こうした細かいコツや視点、つまり「論理的」な構成を基本としつつ「わかりやすい話」にするための技術が、事例を挙げて解説されている。

私もこの本から学んで、もっとわかりやすく話せるようになるつもり。同じような思いを持つ方にお勧めします。

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