中川大臣辞任劇から学ぶリーダーシップ
問題の記者会見から二日間ほどの間に辞任に追い込まれた中川財務・金融大臣。辞任の是非はともかく、この一件から、私たちは何が学べるでしょうか?
リーダーシップの観点で考えてみたいと思います。
TV、新聞を垣間見るかぎり、批判の矛先はおおむね2種類に分けられるようです。
一つには、対外的な日本のイメージダウンを問題視するもの。醜態をさらした、という批判です。海外メディアでも取り上げられたことが拍車をかけました。
もう一つは、職務姿勢の甘さや自己管理の不足を問題視するもの。へろへろの状態で会見に臨んだこと、もしくはその原因となった飲酒がいけないという批判です。
前者は結果を問題にし、後者はその原因を問題にしているとも言えます。そして印象としては、後者、つまり姿勢の甘さ、気の緩みのようなものに対する批判が強いように思えます。
なぜそれほどまでに問題視されるのでしょうか?
もし、現在のような経済情勢でなければ、どうだったでしょう?
国会の政治バランスからすると、責任追及の材料にされた可能性がありますが、即日辞任には至らなかったかもしれません。
とすると、庶民は危機に瀕しているときに、国のトップは危機感が欠如している、という「ギャップ」(要するにKY)が問題にされたと考えるべきではないでしょうか?
ひるがえって企業組織に当てはめると、現場の切迫した空気を読めないトップはリーダーとして認知、支持されない、ということを物語っています。
政府は民主主義制度のもとで運営されているので、トップマネジメントにあたる大臣が辞任に追い込まれるわけです。ところが、ふつうの会社組織では、現場からの反発でトップマネジメントが辞任するケースは稀でしょう。
しかし、そこにリーダーシップは存在しません。そこにあるのは、権限によるマネジメントのみです。リーダーシップは他のメンバーから支持されて初めて存在するものではないでしょうか?
私自身そうなっていないか、改めて振り返りたいと思います。
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