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2009年2月16日 (月)

シンガポールの戦略と人材

昨夜(2/15・日)のNHKスペシャル「沸騰都市 シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090215.html
は、タイトルの通り、シンガポールが国家戦略として、バイオなどの先端科学分野で世界中から俊英を集めている様子が描かれていました。

最先端の科学技術の成果を産業・ビジネスに活かしGDPを高める、という戦略のようです。企業の経営戦略のアナロジー(類推)で言えば、とても理にかなっていて、戦略分野を明確にし、集中的な投資ができている状態です。

一方で番組では、バングラディシュからの短期の移民労働者の窮状も描かれます。外国人の単純労働者はシンガポール経済にとって「バッファ」だと首相が明言するシーンまでありました。NHK的には、光と影の両面を報道しておくべきだという判断が窺えます。

で、例えば「日本はどうすべきか?」と考えました。

一つには、シンガポールに負けないように先端科学分野の研究環境を手厚く支援する方向。同じ分野で競ってもよいし、異なる分野に狙いを定めてもよいでしょう。ただし、シンガポール以外の国とも競争にならざるをえないのは明らかです。資金力だけではないにせよ、カネの続く方が勝ちになりかねません。

もう一つは、人材の能力水準を底上げする方向。トップクラスだけに集中投資するのではなく、幅広い層に教育投資をし、他国よりも平均的な人材の能力水準を高めるのです。この方向の難点は、トップクラスの人材流出を招くおそれがあるところ。産業・生産分野の技術などは幅広い人材層に支えられているとはいえ、自然科学の最先端分野は少数精鋭なので(少なくともそういうイメージがある)、人材の「厚み」では補えないおそれがあります。

3つ目。人材という観点でもう一つ代替戦略があるとするなら、組織力を高める方向ではないでしょうか。この場合の組織力は、分業と協力による実行・推進というよりは、複数の人の知恵・脳ミソを結集させて新たな知識・知恵を創造するイメージです。厳密に「代替」的ではなく、上の2つの方向と組み合わせるべきものかもしれません。

日本は、2つ目が強みだったはずなので、これに3つ目を組み合わせれば、1つ目の戦略に対抗できるのではないでしょうか? (そんなに簡単にはいかない?)

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