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2009年3月 4日 (水)

「命令では人は変わらないし、動かない」

今朝の日経にソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEOのインタビュー記事が掲載されています(※)。タイトルは同氏の言葉。

「命令では人は変わらないし、動かない。それがこの十年間で得た教訓だ。今回は必要なステップを踏んでおり、変革はやりやすい。妥協は許さない」


驚くのは、ストリンガー氏にして、「命令で人は変わらないし、動かない」という教訓を得るのに、十年間かかったという点です。

私のような、人材(才)開発に関わる仕事をしている者の業界では、ある意味、常識です。

しかし、米国で活躍してきた60代後半の経営者にとって、この教訓を得るのは難しかったのでしょう。それだけでなく、権限にもとづく命令を基本とする組織の中で成功してきた人は誰でも、いや、そういう人ほど難しいはずです。

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ご存知のようにソニーは、今回(4月1日付)の組織改革でストリンガー氏が社長を兼務することになりました。氏への権限集中でトップダウン型の色彩が強くなった印象ですが、上のコメントを聞くと、それほど単純でないことが想像されます。

「命令では人は変わらないし、動かない」ことを踏まえた上で、組織のトップとして変革をリードする、という難しい課題に取り組むわけです。

ストリンガー氏の今後の動きに注目し、変革期・過渡期のリーダーシップのあり方を学びたいと思います。


※: 2009/03/04付 日経新聞 企業総合欄 「ソニー ストリンガー氏、社長兼務」

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