「社会からアテンションを向けられること」
昨日の日経新聞で東大大学院教授・姜尚中氏が次のように述べています。弊社の理念「働くことの意義を高める」と関連しているので引用します。(※1)
日本人は働くということを企業や市場との関係においてだけ考えてきたのではないか。これからは社会の中で働くことの意味を考えることが大切だ。私は働くということは最終的には社会からアテンション(注意)を向けられることだと考えている。近くにいる家族だけではなく、匿名の他者が働きを認めてくれる。匿名の他者との相互承認を経て、社会の中に自分の居場所を見つける。自分の全人格を組織や企業に投入するのではなく、社会とのつながりを常に意識することが必要だ。
このあとに続く文章では、職場内での人間関係や顧客との関係も触れられていて、“企業や市場を介した”社会とのつながりを否定する内容ではありません。
思うのは「近くにいる家族」や「匿名の他者」だけではなく、日常的に職場で接する同僚たちや取引先や顧客の人たちもいる(!)という事実です。こうした人たちを含め、人とのつながりをもっと大切にすべきだ、と解釈して良いと思います。
一方で「企業や市場」に象徴される「経済的成果の生産」抜きで「働くこと」が成り立つわけではありません。
「商品を売る/買ってもらう」こと1つ採っても、経済的成果があればこそ取引が成り立つわけですし、同時に顧客からのアテンション(あるいは顧客とのつながり)を感じることはできるのです。
さて、アテンション、あるいはつながりをもっとリアルに、ダイレクトに感じる/伝えるために、われわれにできることはなんでしょうか?
※1:日経新聞2009/03/09付 特集ページ 「働くニホン 現場発 新しい働き方を考える――識者の提言」より
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