質問会議(ALセッション)で犯人探しをしない理由
質問会議(ALセッション、※1)の規範の一つに「課題そのものに注意を向ける」があります。具体的には「犯人探しをしない」ということです。
なぜでしょうか?
この規範が重要なのは前半の「問題を明確化する」フェーズ。とりわけ部下、同僚、上司に絡む「問題」の場合に意識することが必要です。
典型的な例は、ある人物と問題提示者を含む周りの人みんながうまくいっていない場合。自然とその人物に関する質問が多くなります。
これが続くとき、「規範は守られていますか?」「犯人探しになっていませんか?」と尋ねても、質問会議に慣れないチームではほとんど、否定的な答えが返ってきます。「状況を確かめているだけだ」と。
これは「犯人探し」ではないのでしょうか?
私は「犯人探し」だと考えています。確かに話を聞いていると厄介そうな人であったり、組織が望んでいないような行動をとる人であったりします。でも一緒に仕事をしなければならない同僚なのです(仮に追い出すという解決策があるなら、問題提示されていません)。
問題の捉え方としては、どうすればうまく一緒に仕事ができるかという課題に結びつくものでなくてはなりません。でなければ解決に向けた行動がとれません。
つまり、問題を明確化する、問題の本質を捉える、というのは、必ずしも「問題を客観的に捉える」のと同じではないのです。
解決に向けた行動をとるためには、多面的な視点を踏まえたうえで、主体的(主観的)に問題を捉えるべきなのです。他責でなく自責と言うこともできます。
質問会議の未経験者が多いセッションでは、この手の問題を避けたほうが安全でしょう。メンバーが客観的に問題を捉えるので、気づかないうちに「犯人探し」に傾いてしまうです。チームが経験を積めばこの問題は解消できるでしょう。
※1: 「質問会議」については下記をご覧ください。
弊社サイト:「質問会議」(アクションラーニングのセッション)
http://www.openpower.jp/2009/03/post-d279.html
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