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2009年5月22日 (金)

「自責」

「自責」と聞くと、どちらの意味を思い浮かべますか?


a.自分を責めとがめること
b.自らの責任として捉えること


ビジネス界の方であれば、b.が先に浮かぶ人の方が多いのではないでしょうか?

実は広辞苑ではa.の意味しか出ていません。(※1) 用例として「自責の念に駆られる」が挙げられているように、しばしば「〜の念」とワンセットで使われますね。

b.の方の意味は、本ブログの読者にはご存知の方も多いと思いますが、「他責」と対で使われます。「他責」は他人や自分以外の環境・環境変化要因のせいにすることです。自分の責任を回避する方向で物事を解釈したり、報告したり・・・。

そういうのが当たり前になってしまっている組織もあるので、本や研修では「他責ではなく自責」が大切、と強調されます。


では、a.の自責とb.の自責は、まったく関係ないのでしょうか?
あるいは、基本的には同じなのでしょうか?



自分を責めるのは、自分の責任で捉えているのが前提。そこまでは同じ。
しかし、b.の意味では、「過去の行いについて自らを責める」ことを求めません。むしろ「これからどうするか」という将来の行動に焦点を当てます。

細かく言うなら、b.の意味(自責−他責の自責)では、分析として過去のことを扱うけれど、それは将来の自分の行動を導くためのもの。

これに対して、a.の意味(責めるほうの自責)では、過去にしか目が向けられていません。



犯罪を犯したならともかく、仕事上で起こるほとんどの失敗、うまくいかないことについては、a.の意味での「自責」は必要ないように思います。

振り返ることは大切ですが、自分を責めるよりも、これから何ができるかを考えたいものです。(それ以前に、他人のせいにしたり、他人を責めたりしないように気をつけないといけませんね。)


※1:「自分で自分を責めとがめること。『――の念に駆られる』とだけ記載されています。〔シャープの電子辞書搭載の広辞苑(何版か不明、最新版ではない)〕

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