先月、ある会合に参加して気づいたことがきっかけで考えていることです。まだ整理し切れていない面があります。ご意見等いただけたらありがたいです。
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研修などで個人やグループでのワークに取り組んだ後、「振り返り」を求められることがよくありますよね? (私自身は求める立場が多いのですが)
そのとき、あなたは振り返りはどんなタイプでしょうか?
振り返りの目的にもよるのですが、ちょっと単純化して次の2パターンに分けてみます。
ア)私たちのワークは全体としてうまくいった。具体的には、A,B,Cが良かった(できていた)。
イ)私たちのワークは全体としてうまくいかなかった。具体的には、D,E,Fがよくなかった(できていなかった)。
ア)とイ)の違いは難しくないでしょう。肯定的に評価するか否定的に評価するかの違いです。
この違いが、必ずしもワークの直接的なアウトプットの良し悪しだけで決まるわけではない、というのが私の気づきです。(言われてみれば当たり前?)
もちろん現実には、ア)とイ)のミックスであることが多いです。うまくいった点、うまくいかなかった点の両方が挙げられます。その比率は、アウトプットに対する第三者の評価に比例するのかもしれません。評価が低いときほど、うまくいかなかった点に焦点が当たるというように。
ところが、同等の評価であっても、ア)に偏ったり、イ)に偏ったりすることがありませんか?
それは個人や組織の指向、思考の癖だと思うのです。
私は、イ)に偏っています。たぶん日本人はそちらが多いのではないかと思います。「振り返り」と表面的には変わりなさそうな「反省」という言葉が、「懺悔」に近いぐらいのニュアンスを持つことからも想像がつきます。
(少しジャンプしますが)
では、どんなタイプの「振り返り」が良いのでしょうか?
「振り返り」の目的が「今後のため(の学習)」だとして、こんなのはどうでしょう?
ウa)私たちのワークは全体としてうまくいった。具体的には、A,B,Cが良かったが、次にもっとうまくやるためにG,Hをしようと思う。
ウb)私たちのワークは全体としてうまくいかなかった。I,Jは良かったので、次にうまくやるためにD,E,Fをしようと思う。
ウa)とウb)は実質的に前半部が違うだけです。どちらになるかはアウトプットの評価に合わせればよいでしょう。
でもそれじゃ、ア)とイ)のミックスと変わらないのでは?
違いは、
1)アウトプットの評価に関わらず「良かった点」は確かめておく
2)「悪かった点やその理由」にあえて触れず、次にどうするかだけを確認する
という点です。とにかく「前向き」。
こうしたアプローチはALコーチの養成講座で教わったものですが、かなり普遍性があると思います(詳しくありませんが、ポジティブ心理学の流れを汲んでいるようです)。
確かに対象が物理的なモノの場合は、原因追究(追及でない)が欠かせません。しかし、ヒト(の行動)が対象の場合、原因追究(追及になりがち)はむしろ得策ではないように感じます。
どうでしょう?
「振り返り」をするときの、個人や組織の指向、思考の癖を変えてみてもいいと思いませんか?
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