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2009年6月

2009年6月29日 (月)

ROA平均2.3%に低下

日本経済新聞社の集計による
上場企業2009年3月期決算の平均値

ROA:2.3%
(前期6.0%から3.7ポイント低下)

うち製造業:  1.1%(前期6.8%)
  非製造業: 3.8%(前期4.9%)


この値を見ると、製造業の落ち込みが激しいことがわかります。2003年ごろから海外への輸出で利益を伸ばしてきた会社が多いので、世界的な景気減速、とくに米国での景気失速のダメージが大きかったと考えられます。

一方、非製造業の落ち込みが小さい点が注目されます。リーマンショックが昨年の秋なので、海外の景気減速の影響が、国内にまだあまり波及していないためと受け取れます。

逆に言えば、今年度は厳しいはず。製造業がコストカットを進めて、国内需要を減速させ、非製造業に影響が及ぶ、というステップが進行しています。

L字とかW字を辿ると予想される景気ですが、W字説も最後の一画(/)がいつになるのか定かではありません。この半年から1年は引き続き気を緩めることができませんね。


データ出所:2009/06/13付 日経新聞「資産効率、7年ぶり低水準 前期 上場企業、ROA2.3%に」
 ※対象企業は、新興市場、金融などを除く3月期決算企業。(他の記事によると1561社)
 ※経常利益は、経常利益を総資産の期首期末平均値で割った値。ただし米国会計基準の決算を公表している企業は、経常利益の代わりに税引前利益で算出している。

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2009年6月26日 (金)

マイケル追悼

マイケル・ジャクソンさんが亡くなりました。

「さん」が付くように、すでに過去の人になっていたので、大きなショックではありません。しかしやはり、感慨深いものがあります。

大学生の時にダンスを始めたのは、彼が直接のきっかけではないけれど、マイケルの起こしたダンスミュージックブームが背景にあったのは間違いありません。


ご冥福を祈ります。

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2009年6月25日 (木)

ROEを高めるには・・・

入門レベルの財務研修を実施していますが、さすがにROEまでカバーしようとすると、1日ではハードルが高くなります。

昨日も「ROEと自己資本比率の関係をもう少し詳しく」という質問(要望)を受けたので、こんなスライドを作ってみました。

これだけじゃ関係はわかっても、「なぜか?」の説明には不十分なんですけど・・・。

Photo_3

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筆者プロフィール

朝尾直太 Asao, Naota

株式会社オープンパワー 代表取締役

コンサルタント&ファシリテーター
 日本アクションラーニング協会認定シニアALコーチ
 上級システムアドミニストレータ

Ey







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2009年6月17日 (水)

「マックでDS」に見る商品の進化

マクドナルドが「ニンテンドーDS(R)シリーズ」を利用した店舗限定の無料コンテンツサービスを開始するというニュースがありました。
 ◇マックでDS: http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2009/promotion/promo0615.html

私たちは直接的にはハンバーガーなどの食べ物に対してお金を払いますが、マクドナルドが顧客に提供するのは、食べ物だけでなく店舗での体験を含めたサービス全体だということです。

一時的なキャンペーンでもなく、ごく一部の店だけでもありません(全国約3,750店舗のうち約3,200店舗=85%)。

マーケティングのセオリーで膨張製品や潜在製品への拡張にあたると言えます。マクドナルドとしては価格競争の圧力に対して、高付加価値化で対抗するのでしょう。「キッズ&ファミリー」にターゲットを絞っているところから、ファミレスなどを想定競合としているのかもしれません。

もうひとつ最近気になった例を挙げましょう。

合格祈願のお守りとして有名になったネスレのキットカット。単なるチョコレート菓子を超越しつつあります。

「キットカット スルーザブレイク」という商品は、「スルーザブレイク」という音楽・ダンスユニットのデビュー曲を1曲選んでダウンロードできる、というものです。(もちろんキットカットがあって、そのパッケージにダウンロード用のシリアルナンバーが付いている。)

「夢に向かってがんばる人たちに、音楽の“応援”を贈るためにキットカットが設立した」という「ブレイクタウンレーベル」から出している音楽です。
 ◇ブレイクタウンレーベル: http://www.breaktown.com/label/

キットカットは、お守りでのブレイクのころから季節限定のいろんな味を出すなどして、情報財としての性質が強めてきました。音楽付き商品はひとつ壁を越えた印象です。

さらに、昔からあるものをひとつ。

ペットボトルの首についている「おまけ」。「スター・ウォーズ」関連のグッズで有名なペプシなどで成功しているサントリーが、この分野の先駆者でしょうか。

最近では「リプトン」の紅茶飲料についているお菓子のアクセサリーが話題なようです。
(リプトンのペットボトル紅茶飲料はユニリーバ・ジャパンとサントリーの共同開発)
 ◇リプトン キャンペーン: http://www.lipton-sweets.jp/about.html
  (ピエールマルコリーニ アクセサリーコレクション)

「おまけ」は期間限定なので、プロモーションとしての性格が強い。厳密には商品の進化に当てはまらない。けれど、モノによっては本体の飲み物がほしいから買う人よりも、おまけ目当ての人のほうが多いのでは、と思われます。単なる「おまけ」を超越していると言ってもいいのではないでしょうか?

製品/商品がコモディティ化すると、新たな付加価値をつけないかぎり、価格競争をするしかありません。「付加価値をつける」というと、ついつい「飲み物の味」を良くするとか、ペットボトルを飲みやすくするとか、つぶしやすくする、というように考えがちです。

しかし、マクドナルド、ネスレ、サントリーという、マーケティングの先駆者たちは、異なる次元の付加価値に踏み出して商品を進化させているようです。

さて、あなたの商品にはどんな付加価値をつければよいでしょうか?

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2009年6月16日 (火)

ビジネス朝食会

知人に誘っていただいてビジネス朝食会にビジターとして参加しました。
7時前から8時半まで渋谷駅前のホテルにて。

1業種1名というルールのもとに集まった会員が、分刻みの進行手順に則って、自分のビジネスの紹介などをしていきます。お互いに紹介し合うことによって、結果的に自分もビジネスの成長機会を得る、というコンセプトらしいです。

短時間で効率よくビジネス情報をシェアするため、きびきびと進められるその雰囲気に、慣れない私は圧倒されてしまいましたが・・・。
ビジターを除くとたぶん30名余りの会員が、毎週欠かさずこの時間に集まっているとのこと。正直言って、自分はパワー不足なんじゃないかと感じました。(見習わねば!)

参加したビジネス朝食会はこちら: http://bni-bamboo.com/
(入会申し込みは検討のために保留中)

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2009年6月15日 (月)

労働生産性の高い企業は教育訓練支出が大きい

企業が教育訓練にかけたお金が、生産性の向上に結びついているかどうかは、教育研修業界にいる者としては重要な関心事です。

日経の記事で「能力開発基本調査」が、教育訓練支出と労働生産性の関係を調べていることを知りました。両者には相関関係が読みとれます(因果関係は断定できません)。

●「現在の労働生産性が高い」とする企業は「低い」とする企業の
 2.6倍の教育訓練支出を投じている。

            労働者一人当たりの
現在の労働生産性が   教育訓練支出(平均額)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 高い企業       4.0万円
 やや高い       2.1
 どちらともいえない  2.3
 やや低い       2.2
 低い         1.5
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

労働生産性を定量的に定義しているわけではないので厳密性には欠けますが、十分説得力、納得性があるのではないでしょうか?

ほかにも、選抜研修を重視するか全体を高めるか、外注か内製か、など興味深いデータがたくさんあります。

なお、上記は平成19年度(2007年度)実績について調査したものですが、今月すでに平成20年度(2008年度)実績の調査結果が発表されています(ただし詳細データは未公表)。

●データ出所、参考記事等
(厚生労働省「能力開発基本調査」調査結果の概要等)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/104-1.html
(Excel の数表)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001032684
(日経新聞記事)
2009/05/19付 経済教室欄 「ゼミナール 雇用危機を読み解く(16) 教育訓練 労働生産性と中長期では相関」

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2009年6月12日 (金)

IFRS(国際会計基準)2015−16年義務化へ

昨日公表された企業会計審議会の中間報告で、上場企業の連結財務諸表への国際会計基準(IFRS)の適用を、2015年から16年に義務化する方針が示されました。まだ方針の段階で、最終決定は2012年に行うことになっています。

これに先立って「任意適用」(企業がIFRSの適用を選択できる)は、すでに始まっている2010年3月期から導入することが決まりました。これは、どんな企業でも任意適用できるわけではありません。国際的な活動を行っている上場企業で、かつ1期前の決算からIFRSを適用したものを報告しないといけないそうです。

ちなみに「義務化」(強制適用)されるようになっても、上場企業の単独決算や非上場企業の決算は、日本基準が認められますから、複数の会計基準が混在する状態がしばらく続きます。

上場企業で米国会計基準を適用している会社が30社ほどあったはずなので、任意適用が始まると日本、米国、国際の3つの基準が混在することになります。もっとも、米国でも2014年ごろから国際基準の強制適用が始まるので、あと5,6年の辛抱です。

(参考にした記事等)
・日経新聞 2009/06/12付 経済面 「国際会計基準 15年にも義務化めざす」
・@IT情報マネジメント「金融庁が中間報告案、任意適用は2010年3月期から 国際会計基準、強制適用は2015〜16年 段階適用の可能性も」
http://www.atmarkit.co.jp/news/200906/11/ifrs.html
・金融庁 企業会計審議会第16回企画調整部会議事次第
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/kikaku/20090611.html

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2009年6月11日 (木)

「振り返り」のしかた:「反省」か、前向きか?

先月、ある会合に参加して気づいたことがきっかけで考えていることです。まだ整理し切れていない面があります。ご意見等いただけたらありがたいです。
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研修などで個人やグループでのワークに取り組んだ後、「振り返り」を求められることがよくありますよね? (私自身は求める立場が多いのですが)

そのとき、あなたは振り返りはどんなタイプでしょうか?


振り返りの目的にもよるのですが、ちょっと単純化して次の2パターンに分けてみます。

ア)私たちのワークは全体としてうまくいった。具体的には、A,B,Cが良かった(できていた)。

イ)私たちのワークは全体としてうまくいかなかった。具体的には、D,E,Fがよくなかった(できていなかった)。


ア)とイ)の違いは難しくないでしょう。肯定的に評価するか否定的に評価するかの違いです。

この違いが、必ずしもワークの直接的なアウトプットの良し悪しだけで決まるわけではない、というのが私の気づきです。(言われてみれば当たり前?)

もちろん現実には、ア)とイ)のミックスであることが多いです。うまくいった点、うまくいかなかった点の両方が挙げられます。その比率は、アウトプットに対する第三者の評価に比例するのかもしれません。評価が低いときほど、うまくいかなかった点に焦点が当たるというように。


ところが、同等の評価であっても、ア)に偏ったり、イ)に偏ったりすることがありませんか?

それは個人や組織の指向、思考の癖だと思うのです。


私は、イ)に偏っています。たぶん日本人はそちらが多いのではないかと思います。「振り返り」と表面的には変わりなさそうな「反省」という言葉が、「懺悔」に近いぐらいのニュアンスを持つことからも想像がつきます。


(少しジャンプしますが)
では、どんなタイプの「振り返り」が良いのでしょうか?

「振り返り」の目的が「今後のため(の学習)」だとして、こんなのはどうでしょう?

ウa)私たちのワークは全体としてうまくいった。具体的には、A,B,Cが良かったが、次にもっとうまくやるためにG,Hをしようと思う。

ウb)私たちのワークは全体としてうまくいかなかった。I,Jは良かったので、次にうまくやるためにD,E,Fをしようと思う。

ウa)とウb)は実質的に前半部が違うだけです。どちらになるかはアウトプットの評価に合わせればよいでしょう。

でもそれじゃ、ア)とイ)のミックスと変わらないのでは?

違いは、
1)アウトプットの評価に関わらず「良かった点」は確かめておく
2)「悪かった点やその理由」にあえて触れず、次にどうするかだけを確認する
という点です。とにかく「前向き」。


こうしたアプローチはALコーチの養成講座で教わったものですが、かなり普遍性があると思います(詳しくありませんが、ポジティブ心理学の流れを汲んでいるようです)。

確かに対象が物理的なモノの場合は、原因追究(追及でない)が欠かせません。しかし、ヒト(の行動)が対象の場合、原因追究(追及になりがち)はむしろ得策ではないように感じます。

どうでしょう?
「振り返り」をするときの、個人や組織の指向、思考の癖を変えてみてもいいと思いませんか?

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2009年6月10日 (水)

「フロー理論」と経営

先月、ALコーチを対象にしたセミナーで「フロー理論」の話を聴きました。

講師はフロー理論に関する著書のある専門家です(一般向けセミナーではないので、念のためにお名前を控えます)。私は、コーチ養成講座の同期生だったので、セミナーを楽しみにしていました。

「フロー」が生まれやすいような経営を創り出そう、というのが講師の考えです。私も、「フロー」の定義に当てはまるかどうかわかりませんが、疲れを忘れるほど仕事自体に楽しみを見出せるような状態を目指すべきだと思います。

また講師が指摘されていたように、「フロー」であれば経営がうまくいくというわけではありません。本人や組織にとって望ましい状態であっても、顧客や社会から評価されなければ維持することができません。

難しいテーマではありますが、私の考える「オープンな組織とエンパワーされた社員」と通じるものがあるので、とても勉強になりました。

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「車両の電動化パートナー」

何回かお手伝いをしたお客様の会社が、今月から3つあったグループ会社を統合し、新社名でスタートすることになりました。いわゆる後ろ向きのリストラではなく、「車両の電動化パートナー」という明快なポジショニングで、株式公開を目指すためのものです。

先日、新創業の発表会にお招きいただきました。経営者、社員の皆さんの決意表明などがあって、期待感が高まります。しかし技術者が中心の会社だけあって、社外の人間が期待するような浮かれた感じがありません。

社長は中国人で日本の大学に留学生として来て、日本で創業された方です。いつお会いしても仕事一筋のストイックな印象です。

有望な市場性を持つだけでなく、環境にもやさしい技術があるので、成功を願っています。

(会社サイト)http://www.myway.co.jp/

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2009年6月 5日 (金)

湯島天神と

湯島天神と
お世話になった人の事務所を訪ねて湯島に行ったついでに、湯島天神にお参り。もしかして初めてかも!?

その方は、僕が前に働いていた会社の創業間もないころ、同じインキュベーションオフィスに入っていた方で、よく会社かの帰りに車で送ってもらったりしました。

しばらく会ってなかったのですが、ご家族の都合で郷里に帰るのとのこと・・・。
この日もビジネスや生き方について、いろいろと話を聞かせていただきました。残念ながら、またしばらくお別れです。

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2009年6月 3日 (水)

ブログを読むためのRSSリーダー

昔からの友人が「ブログを読んでる」と言ってくれて、とてもうれしかったです。ありがたいですね。
ところが、毎朝何十人分も手作業でチェックしていると聞いてびっくり!

「更新されたブログだけ見る便利なツールがあるんだよ!」
「じゃ、それブログに書いてくれ!」

一般にRSSリーダーと呼ばれていて、見たいブログを登録しておくと更新されたものだけが表示されます。

グーグル「リーダー」 http://reader.google.co.jp/

はてな「RSSリーダー」 http://r.hatena.ne.jp/

どちらもWeb上のものですが、ネット上に登録データを置きたくない場合は、PC側でメーラーかブラウザのように使えるアプリケーションソフトもあります。(私は最近使っていないですが)

goo「RSSリーダー」(アプリ版、ウェブ版のほかにケータイ版があるようです)
http://reader.goo.ne.jp/

ほかにも探せばいろいろあるはずです。登録先のRSSリーダーは1つにして方が便利でしょう。

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デスク脇の引き出し

お隣の事務所が引越で残していかれたデスクサイドキャビネット(引き出し)を、家主さんから譲っていただきました。

デスクの間に挟むと実にぴったり!
(家主さんに感謝)

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元からあったキャビネットはデスク下に納まるタイプなので、暫定的に反対側の袖に移動。

収納場所が増えるのはありがたいけれど、それだけモノ・書類が増えるという法則があるので、使い方は慎重に考えます。

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2009年6月 1日 (月)

エコポイントに縛られない消費者

先週金曜日の日経新聞記事 「私は『買い足し派』 愛着ある家電 長〜く使う エコポイントに縛られず」に思わず手を打ちました。(※1)

「エコポイント」対象外の地デジチューナーや小型冷凍庫、サーキュレーターを買う人がいる、という内容。

エコ型の新製品に買い換えるよりも、今ある電機製品を使い続けるほうが環境負荷が小さい場合が多々あるでしょう。「エコポイント」というのは環境負荷を低減させるための政策というよりは、エコのイメージを利用した景気刺激策という見方があります。(※2) その通りかも知れません。

しかし、少なくとも一部の消費者は政府の政策に惑わされることなく、「エコ」な生活を求めていることが記事から伝わります。もっともこの「エコ」は「エコノミー(経済的)」のエコでもあるのでしょうけれど。

企業サイドから見れば、国を挙げての販促策にすら乗ってこない消費者もお客なわけですから、さらに知恵を使ってそうしたお客に対応する必要がありそうです。

※1:日経新聞 2009/05/29付。
※2:たとえばこのコラムを参照: http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090522/195568/?P=1

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