« 「目に見えない資本主義」 | トップページ | 「原因分析」をする手法、しない手法 »

2009年9月24日 (木)

2009年3月期の決算データ

財務指標の中でも、とくに収益性の指標は景気動向などによって変動します。「どれぐらいの値が目安か?」と質問されて答えにくい理由の一つです。

最新の値はどうなっているのでしょう?

東京証券取引所(1部、2部、マザーズ)上場企業の決算データから、主要な指標をピックアップしました。

《ポイント》

1) ROEは、製造業がマイナス、非製造業が5%

製造業のROEがマイナスに転落したのが目立ちます。しかし、遡れば、製造業のROEは、2002年3月期の△0.18%を底に毎年上昇を続け、前期(2008年3月期)には、10%目前に迫っていたのです。

景気の先行きは不透明ですが、固定費の削減が進んでいるので、2010年3月期の収益性指標は、はっきりとした回復が期待できるでしょう。

2) ROAは、2−3%前後の水準に

前期は5−7%だったものが、製造業は1%台前半、非製造業でも3%台後半に低下しました。

3) 総資産回転率は、ほぼ1.0回

製造業と非製造業の差はわずかです。製造業がやや低いものの、非製造業にも設備型の産業が多いので、平均すると製造業とほとんど差がありません。

4) 自己資本比率は、約30−40%

製造業と非製造業に10%ポイント近い差(非製造業が低い)があります。いずれも、前期よりやや低下しています。

《データ抜粋》

_2009年3月期___全産業_____製造業____非製造業_
◇ROE       0.10%  △2.86%   5.05%
       前期 [9.31%] [9.63%] [8.75%]

◇ROA       2.36%   1.28%   3.72%
       前期 [6.07%] [6.85%] [5.04%]

◇売上高営業利益率  3.11%   2.07%   4.37%
       前期 [6.06%] [6.77%] [5.13%]

◇総資産回転率    0.97回   0.95回   1.00回

◇自己資本比率   34.54%  38.52%  29.68%
       前期[36.59%][41.24%][30.51%]

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
※ROEは「自己資本当期純利益率」、ROEは「総資産経常利益率」です。
※総資産回転率は、データをもとに弊社で算出したものです。
※自己資本比率は安全性指標です。

データの詳細は、東京証券取引所のサイトをご覧ください。
◇http://www.tse.or.jp/market/data/examination/tanshin/index.html

|

« 「目に見えない資本主義」 | トップページ | 「原因分析」をする手法、しない手法 »

f 会計・財務」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2009年3月期の決算データ:

« 「目に見えない資本主義」 | トップページ | 「原因分析」をする手法、しない手法 »