« キム・ヨナ選手の金メダルを喜ぶ | トップページ | 財務3表の1チャート化 »

2010年3月 8日 (月)

気象庁に拍手!

津波予測の話ではない。桜の開花予想をやめたことに対して。


◆気象庁、桜の開花予想取りやめ 「国の役目終えた」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091225AT1G2501X25122009.html

数年前から民間の気象会社も同様のサービスを提供しており、同庁は「民間の予想精度が上がり、国としての役目を終えた」としている。

2003年に民間のウェザーニューズ、07年に財団法人の日本気象協会が桜の開花予想を始め、以降は毎春、3社による予想合戦に。同庁内部でもいつまで続けるべきか検討を重ねてきたという。

気象庁には、桜の開花予想よりも、津波などの災害を招く気象の予想に取り組んでほしいと思う。多くの人がそう感じているだろう。

どんな組織にも、環境変化とともに重要度が低下する仕事がある。まったく意義がなくなったわけではないけれど、やるに値しなくなった仕事――つまりムダな仕事が、つねに発生するものだ。そして、ムダな仕事をだらだらと続けていれば、組織の生産性、効率性がどんどん落ちていく。

民間企業であれば、事業が世の中に合わなくなれば売上が落ちるので、価値の低い仕事から価値の高い仕事への移行を進めるメカニズムがある。それが遅ければ収益性が低下し、いずれ淘汰される。

他方、役所の仕事には、売上に当たるものがないので、このメカニズムが働きにくい。役所の仕事にムダが多いとされるのは、そのせいもある。昨年末、話題になった「事業仕分け」は、このムダを削ぎ落とす作業でもあったと思う。

とはいえ、民間企業であれ役所であれ、担当している人はその仕事に意義を感じているはずだ。何十年も桜の開花予想の精度向上に取り組んできた人にとっては、とても大事な、意義の高い仕事であったと思う。

それをやめる決断ができるのは、たいていの場合、当事者ではない。民間企業なら経営陣が決断を下し、役所なら国民・政治家が決断を下す。

今回の気象庁の決定は、役所が自ら「事業仕分け」を行ったようなものだ。その英断に拍手を送りたい。


わが身をふりかえっても、ムダな仕事がけっこうありそう。自分の基準ではなく、効果の観点で見直して、やめる努力、勇気が必要だ。経験則では、忙しい時期にやり過ごす仕事は、ムダな仕事である可能性が高い。

あなたは、自分の業務にムダな仕事がないか見直していますか?
誰かに見直されるしくみがありますか?

もちろん、民間企業であっても、収益性の高い事業や会社の中には、ムダな仕事が残されやすい。

|

« キム・ヨナ選手の金メダルを喜ぶ | トップページ | 財務3表の1チャート化 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 気象庁に拍手!:

« キム・ヨナ選手の金メダルを喜ぶ | トップページ | 財務3表の1チャート化 »