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2010年6月

2010年6月21日 (月)

偽薬の効果を活かす

日曜日の日経新聞に「偽薬(プラセボ)効果」についての記事が出ていた。(※)

「人間の場合、偽物でそれを知らずに薬だと信じて飲めば、不思議なことに一定の治療効果が表われる」。これがよく知られている「偽薬(プラセボ)効果」。精神疾患や痛みの治療で顕著な効果が表われることが多く、感染症では表われにくいという。

「病は気から」と言うが、「気」を「気持ちの持ちよう」とすると、まさにプラセボ効果を織り込んだ経験則だ。しかし、私たちは「気」だけでなんとかなる病気ばかりでないことを知っている。

つまり、ある種の問題は脳をだますだけで解決・緩和する。しかし、だますだけでは解決にならない問題もある。


「脳をだます」などという言い方は、いかにも非科学的な感じがするが、これは科学的ではないのだろうか?

記事によれば、効果の存在自体は科学的に確認されているが、科学的に解明できるかどうかは、意見が割れるのだという。入口と出口は確認できているが、途中の経路――因果関係――が解明できていない、という意味だろう。

ビジネスにおいても、「脳をだます」アプローチ自体は「あり」だと思う。非科学的とは言えない。しかしながら、どういう問題に効果があるのか、については今のところ経験則の域を出ない。万能薬でないことを承知のうえで使えばよい。

同時に、どこまでだましてよいか、については倫理的・社会的な節度が必要である。行き過ぎれば「マトリックス」の世界だし、「○○バブル」や戦争時は集団的熱狂の中で脳がだまされている状態だと言える。

※日経新聞 2010/06/20付 サイエンス面 ナゾ謎かがく欄 「偽薬どうして効くの?――願望が脳内反応に影響か」

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2010年6月 4日 (金)

財務データチャート: 四半期の業績推移

前の記事と同じく、2010年3月期などの決算データを使って、過去2年間の四半期業績推移をチャート化しました。

2009年3月期は、下期にリーマンショックの影響を受けて、業績が悪化した企業が多かったようです。

2010年3月期は、コスト削減努力などにより、減収のなか増益を果たした企業が多かったようです。

チャートに取り上げた富士フイルムホールディングスは、2010年3月期(2009年度)に14百億円余りの構造改革費用を計上したために、最終赤字になっています。

しかし、構造改革費用の影響を除けば、四半期単位の純利益が順調に回復していることが、チャートからわかります。チャートでは、構造改革費用を除く(つまり足した)純利益を「青」で表示しています。青の棒グラフの「底」は、2009年3月期(2008年度)の第4四半期(2009年1-3月)となっています。

緑の棒グラフは、営業キャッシュフローを表します。営業キャッシュフローは季節要因があるために、純損益ほどきれいなV字を描いていませんが、はっきりと増加傾向が読み取れます。

★画像をクリックすると拡大表示されます。

Ff100322

※チャートのタイトル、注記を改善したものに画像を差し替えました。2010/06/09

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財務データチャート: PL, BS, CF セット版

2010年3月期の決算データをもとに、財務3表を1つのチャートにまとめました。

金額をそのまま表示する形ではなく、期末の資産合計を100とした指数に換算して表示しています。

今回のチャートの改善ポイントは、期首のBSの値を追加した点です。

中央の6本がBSですが、その左から、

期首資産(白いグラフ): 流動と固定の区分のみ
期末資産: 同じ区分
期末資産: もう一段細かい区分

期首負債・純資産(白いグラフ): 負債は流動と固定の区分のみ
期末負債・純資産: 同じ区分
期末負債・純資産: もう一段細かい区分(負債は流動と固定に分けず)

となっています。

あまり細かく分けたり、棒グラフの数を増やしてもわかりにくくなるので、バランスに悩みます。

データは、富士フイルムホールディングスの連結財務諸表を使用。

★画像をクリックすると拡大表示されます。

Ff10031_2

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