教育研修の体系は伝わっているか?
先日、研修でお世話になっている方と情報交換をしたときの話題から。
企業で社員に対して行われる教育研修には、よく練られた「体系」があります。個別の研修プログラムは体系の一部ですから、「マーケティング」や「財務」というメニューに分かれていても、本来は一つのことです。別の側面でしかありません。
ところが、研修の受講者にそのことが十分に伝わっているでしょうか?
十分に伝わっていなければ、研修にかける時間・エネルギー・お金に、莫大な隠れた損失(機会損失)が発生しているおそれがあります。裏返せば、そこにもっと注力すれば、はるかに大きな成果が得られる可能性があります。
体系そのものを育成対象者(受講者)に説明する活動は、意外に欠落している可能性があります。
連続したコースの場合は、冒頭に説明がありますが、選択式の場合はそうした機会が十分にありません。ガイドブックなどには書かれていても、目次代わりになってしまって、趣旨まで伝わっているとは限りません。
実施する側にとっては、別々のメニューのつながりが当たり前であっても、経験の浅い受講者にとっては、当たり前でないことがあります。例えば「接遇・マナー」と「マーケティング」がつながっているでしょうか?
近年、「現場で使える、実践的な内容」というリクエストをよくいただきますが、それは個別メニュー化された研修がバラバラなままでしか伝わっていないせいかもしれません。
個別の研修メニューを実施する立場で関わる私も、責任の一端を負っています。体系そのものについて説明することはできませんが、体系との関係、他のメニューとの関係、さらにそもそも仕事の中での位置づけなどについて、もっと時間を割いた方が成果が上がるのではないかと考えています。
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