経済・政治・国際

2017年3月 3日 (金)

市場メカニズムがもたらす関心と責任感の狭域化を自覚せよ

ヒトは集団・共同体がなければ生きていけない動物である。したがって、大人は集団・共同体の利益・幸福について一定の責任を負う。それは現代にあっても同じはず。
ところが、市場経済をベースにした現代社会では、「個々人が私的な利益の追求をすれば自動的に社会全体の利益が達成される」という市場メカニズムが働く。そのため、個々人の関心は私的な利益の範囲に限定され、社会全体がどうなっているかに無関心になり、責任感が薄れる。「関心と責任感の狭域化」である。

市場メカニズムが万能で完璧なら問題ないのかもしれない。しかし現実はそうではない。補うためには、社会全体の利益・幸福についての関心と責任感を取り戻す必要がある。まず、私的利益の追求への没頭は「関心と責任感の狭域化」だと自覚することが第一歩である。
★2017年5月14日:一部表現を修正して更新しました。

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2009年5月18日 (月)

エコポイントの表示は景表法に触れないか?

経済危機対策として5月15日から始まったエコポイント。政策を公表したら予想以上に買い控えが起こったとかで、実施時期を繰り上げた経緯があるようだが、あまりにひどい。

民間企業がこのようなプロモーションを行ったら、景表法(※2)に触れるのではないか?

景表法の不当表示では、ケータイ会社の広告で「優良誤認」が問題にされた例が有名。私は景表法の専門家ではないが、常識的に考えるならば今回のは問題がある。

何に対してどれだけ「エコポイント」が付与されるのかは、はっきりしているようだが、交換対象となる商品が決まっていない。
それだけではない。エコポイントがどんな金額的価値があるのかが示されていない。(※1)
1ポイント1円相当なのか?
1ポイントから使えるのか?
いつまで使えるのか?

交換対象の金額的価値をうたっていないから「優良誤認」でないと主張するかもしれないが、家電量販店では「1ポイント=1円」が常識で、交換対象はほとんどの商品。
そのあたりをあいまいにしたまま「ポイント付与」だけを訴求するのは、「政府」だからと言って甘えが許されるものではない。

公正取引委員会には、政府に対して、せめて牽制球の一つぐらいは投げてもらいたい。

※1: 
・環境省「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業の実施について」http://www.env.go.jp/policy/ep_kaden/index.html
この「よくある質問 Q&A(平成21年5月12日現在)」がもっとも詳しいが、交換については具体的でない。http://www.env.go.jp/policy/ep_kaden/faq.html
------------------------------以下、交換に関する質問と回答部分引用
Q10 エコポイントはどのような商品と交換できるのですか。
    A10 エコポイントの交換商品については、[1]省エネ・環境配慮に優れた商品、[2]全国で使える商品券・プリペイドカード(環境配慮型のもの)、[3]地域振興に資するもの、以上の3分野とします。各分野における具体的な商品については、例えば第三者委員会などの透明性のある手続きの下で選定していきます。ページトップへ
Q11 交換商品に応募したいのですが、どのような手続きが必要ですか。
    A11 交換商品については、提供事業者からの応募に基づき、[1]省エネ・環境配慮に優れた商品、[2]全国で使える商品券・プリペイドカード(環境配慮型のもの)、[3]地域振興に資するもの、を中心として選定する予定ですが、具体的な手続き、スケジュール等は決まっておりませんので、詳細が決まり次第公表します。ページトップへ
Q12 エコポイントはいつから、どのように交換するのですか。
    A12 現在、事業の実施者を公募しているところであり、事業の具体的なスキームについては、事業者が決定された後で決まることになります。消費者や販売者の方々に、利便性の高い、使いやすいものにしたいと考えています。ページトップへ
------------------------------以上引用

・総務省「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業の実施について 」http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/12120.html
このページは、消費者にとってまったく役立たない。

・事業者側の表示例:ビックカメラのサイト http://www.biccamera.com/bicbic/servlet/osusume?ID=W419_7

※2: 不当景品類及び不当表示防止法。詳しくは次のサイトを参照「公正取引委員会 景品表示法とは」http://www.jftc.go.jp/keihyo/keihyogaiyo.html

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2009年5月 7日 (木)

債務残高GDP比168%の受け止め方

政府長期債務残高が増えているという話は、GDP比での大きさよりも、拡大に依存した財政・経済の体質を問題にしなくてはならない。



4月30日に財務省が公表した見通しによると、国と地方を合わせた長期債務残高の対GDP比率が2009年度末に168.5%になるという。(※1)

政府の借金が「GDPの1.7倍」という数字がどれほど深刻かについてはよく論じられているが、政府が破綻するか否かの基準の線引きが難しく、簡単に決着がつかない。


むしろ注目すべきは、その増加ペース

1992年度末には、301兆円、GDP比62.2%だったものが、
17年後の2009年度末には、816兆円、GDP比168.5%になる。(※2,3)

つまり、過去17年間の平均で年30兆円ずつ借金を増やしている

30兆円は、GDPの約6%に相当する。
(この間の名目GDP成長率は年0.5%)(※4)

30兆円は、国と地方の政府歳出規模の20%に相当する。
つまり、政府支出の2割が毎年「新たな借金」で賄われている。(※5)


この借金拡大体質、政府の体質だけでなく、日本経済の体質、それを容認してしまう日本政治、国民の体質こそ問題にされなくてはならない。

国民の側で言うと、私たち自身がこの借金依存財政・経済の現実と向き合って、体質変革の覚悟を決めなくてはならない

メタボのレッテルを貼られたおじさんたちだって、努力してるじゃないか!
病気で倒れるまで生活を変えない、というのは許されないだろう。



※1: 2009/05/01付 日経新聞 経済2面 「債務残高 GDP比168%に 財務省見通し
今年度、補正など反映」による。記事によれば、今年度補正予算案や政府経済見通しの下方修正を反映した数字だと言う。
●ネット記事はこちら:http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090430AT3S3001M30042009.html
●反映前の数字はこちら(財務省サイト,PDF):http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/siryou/sy2104g.pdf
(09年度末見通しで、804兆円、157.5%になっている)

※2: 1992年度末の値はこちら(財務省サイト,PDF):http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/siryou/sy1403h.pdf
2009年度末の値は、※1の記事より

※3: 国の一般会計歳出と税収のギャップが広がったのは90年代前半からであることが、次のチャートからよくわかる。(財務省サイト)http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014/sy014b.htm

※4: GDPを平均500兆円とした。成長率0.5%は各年度の値の単純平均。
1993年度(平成5年度)から2008年度(平成20年度)までのGDPと成長率はこちらを参照。(財務省サイト,エクセル)www.mof.go.jp/kankou/hyou/g673/673_01.xls

※5: この17年間の平均で、国の一般会計が80兆円強、地方の普通会計が90兆円余り、合計(純額)が150兆円弱。30兆円は150兆円の20%に相当する。データはこちらを参照(※4と同じ。財務省サイト,エクセル)www.mof.go.jp/kankou/hyou/g673/673_01.xls

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2009年4月28日 (火)

ネットで政治献金

オバマ大統領の選挙戦で話題になったネットを通じた個人の政治献金は、日本では難しいとされてきた。それが可能になるという。

日経新聞によれば、楽天が5月にサイトを立ち上げる。当初は楽天グループが発行するクレジットカードに限られるが、他のカード会社にも呼びかけるという。(※1) 

まだ正式発表されていないようだが、主な計画、検討事項は以下の通り。(※2)

・献金の対象は政治家個人(の政治資金管理団体)
・1回の献金の最低額は千円から5千円
・手数料等は政治資金管理団体が負担する
・超党派の大規模なサイトとする
・立ち上げ時には衆院選挙の全候補者の写真・経歴を掲載
・参院議員や地方議員に広げる
・政見放送を見られる機能を追加する


楽天としては、政治献金の入口を握ることで政治的な圧力への抵抗力を獲得する思惑があるかも知れない。しかし、他社が追随すれば楽天だけがパワーを握るわけではないので、悪くないだろう。まずは実現に向けて政治的な妨害に合わないことを願う。


※1: 2009/04/25付 日経新聞 総合欄 「政治献金、カード払いで 楽天が個人向けサイト」

※2: 内容は記事より。楽天のプレスリリースサイトには現時点で未掲載。http://www.rakuten.co.jp/info/release/index.html

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2009年4月26日 (日)

老後の生活「非常に心配である」が5割

日経の連載記事中に出ていた金融広報中央委員会の2008年調査によると、老後の生活に関する考え方で、「非常に心配である」と回答した人が50.1%を占めた。(※1) 1992年の調査では2割未満であったと知れば、これがどれほど多いがわかるだろう。

グラフを見ると「非常に心配である」の割合は、この16年間傾向的に増え続けている。おおむね前半は、次の「多少心配である」が約5割で一定で、残りの機「それほど心配していない」と「全く心配していない」が減っている。後半は「多少心配である」が減っている。

つまり、90年代は「心配層」が拡大し、00年代は「心配層」の心配が深刻化した、と言える。

バブルの崩壊や人口の高齢化、少子化、それらに伴う年金財政の悪化などの要因はあるけれど、結果的に生活の不安感が高まっているのは否定できない。

簡単な答えがないのはわかっているが、私たちの社会としては、この問題にきちんと向き合わなくてはならない。


※1: 2009/04/24付 日経新聞 経済教室欄 「ゼミナール 消費と日本経済 39 消費拡大の課題 『将来不安』の払拭が重要に」 の本文およびグラフより。

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2009年4月18日 (土)

定額給付金によるプチ経済政策

わが家にも定額給付金の申請書が届きました。

日経新聞によれば、八王子市は、「定額給付金に批判的な市民」に対して、受け取った上で「みどりの保全基金」に寄付をするように呼びかけているとか。受け取らなければ、国庫に返納されるらしく、それよりは地元の活動に還流させようという意図らしいです。(※1)

同じ記事に、「受け取らない」と回答した人が約4%いる、という世論調査結果があるとあります。


受け取る/受け取らないだけでなく、どんな使い途をするか、などいろいろな意思表示のしかたがあるでしょう。

いや、そもそも税金の還付ですから、受け取るのは支持表明でもなんでもなく、ましてや受け取ったお金を何に使うかはプライバシーだ、というのが最も真っ当な考えかもしれません。

しかしまぁ、人に言うかどうかは別として、これを機に「マイプチ経済政策」を考えてみるのも悪くないのでは?


それぞれが自分にとって利益になるお金の使い方をすれば、自然と社会全体の利益が達成される、というのが経済学の古典的なロジックですが、それとは少し違うアプローチがあってもいいでしょう。

社会全体の利益なんてものはそもそも簡単に測定できません。それぞれがイメージする、少し未来の望ましい社会のためにお金を使えば、意外に変化が加速するかもしれません。一人1万2千円であっても。

さて、あなたはどう使いますか?


※1:日経新聞 2009/04/08 付 朝刊 首都圏ページ 「定額給付金拒否なら 『みどりの基金』へ 八王子市が寄付呼びかけ」
●「みどりの保全基金」への寄付を呼びかける八王子市のページ
(受け取らない人に絞って呼びかけているわけではない)
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/seikatsu/kankyohozen/1899/019388.html

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2007年10月 2日 (火)

沖縄がんばれ!

先週の土曜日(9/29)、沖縄で教科書検定に反対する集会が開かれた。県知事らが出席し、11万人余り(主催者発表)が参加したという。

「沖縄で抗議集会、「集団自決」検定意見の撤回求める」(asahi.com 記事)

国・文科省も慌てて対応するようだが、検定に対する不信感を一段と高める結果になったのではないだろうか?

「沖縄県民11万人の怒り、国を動かす…検定見直し検討」(yomiuri online 記事)

政府はまさか沖縄を外国呼ばわりできないだろうが、沖縄県民あるいは出身者と、そうでない私たちの多くは、沖縄という内なる異国を誇りに思い、互いに大切にし合うべきだろう。

今回の検定意見に何も行動を起こさなかった大多数の「本土」の人間の一人としては、沖縄県の人たちを「大切にしている」という資格はないかもしれないが、せめて声援だけは送りたい。

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2007年9月19日 (水)

よく言われる家計の金融資産1500兆円は

9月18日に発表された日銀の資金循環統計によると、今年6月末の家計の金融資産残高は約1555兆円となった。過去最高だそうだ。
ちなみ負債残高は約383兆円。

●ニュース記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070918-00000236-reu-bus_all

●統計データの掲載されているページ(中身は見てません)
http://www.boj.or.jp/theme/research/stat/sj/index.htm

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2005年10月 2日 (日)

首相への権力の集中を注視しよう

衆院解散・総選挙の暑い夏が終わってみて気づくのは、首相への権力集中が劇的に進んだ点である。わが国では、首相の地位が不安定(※1)だと言われていたので、リーダーシップの強化という観点からは評価されるべきかも知れない。しかし、権力の分立、権力の均衡(バランスオブパワー)の観点からは、行き過ぎのないように注意深く見守る必要がある。

■強引な解散権の行使

小泉首相は参院で郵政法案が否決されたのを受けて、衆議院を解散した。解散の手続きにおいて小泉首相は、閣僚の任免権を振りかざして、閣議での解散決議を迫った。結果的に罷免は1人だけ(島村農相)だったが、押し切ったことで、首相は内閣における権限の強さを見せつけた(※2)。

また、確かに首相には解散権があるとされるが、内閣提出法案の否決を「内閣に対する不信任」だと自ら認めながらも、「総辞職」をせずに解散に踏み切った。そして選挙に大勝したことで、首相の国会に対する優位性を見せつけた。また、これによって参議院は半ば無視されて、衆議院の優位性がいっそうはっきりた。

以上を図式化するとこのようになる。

内閣: 首相>他の閣僚
首相(内閣)>国会
国会: 衆院>参院

■小選挙区制とマニフェストの効果

小選挙区制の導入(※3)から一定期間が経って、自民党が派閥の連合体から執行部中心の中央集権型組織に変わった。今回の選挙では郵政法案に反対した議員を公認せず、その選挙区に公認候補を送り込む(いわゆる「刺客」)というやり方で、執行部が持つ権力の強さをまざまざと見せつけた。

また、小選挙区制のもとでマニフェストが浸透し始めたことで、衆議院選挙(総選挙)は政権(政権党)と首相候補(党首)を選択する機会になった。マニフェスト総選挙は「準首相公選」制だとも言われる。このこと自体の善し悪しは別にして、結果として与党衆院議員は、党首に対する従属度が高くならざるをえない。

さらに小選挙区制による与党の「地すべり的勝利」効果によって、国会内での与党の優位性が高まった。これは今回の選挙結果に過ぎないという見方もできるが、小選挙区制というのは基本的に、勝ち組(結果的に与党)と負け組(結果的に野党)の差がつきやすい選挙制度である。

以上を図式化するとこのようになる。

自民党: 執行部>派閥
与党(自民党): 党首(首相候補)>各衆院議員
衆議院: 与党>野党

■権力集中の背景

これらの一連の現象は、今回の解散・総選挙からの、新たな立法や規則の変更によるものではない。背景には小選挙区制(比例代表並立制)の導入がある。導入から約10年経って、マニフェストの普及を追い風に、自民党が党首・執行部を中心にしたトップダウン型の組織に生まれ変わったということだ。

内閣の中で首相の立場が強くなったのも、国会(とくに衆議院)に対する首相の優位性も、自民党内の権力構造の変化を受けて、もともと持っていた権限を顕在化させたに過ぎないと言える。その意味では、今回はっきりした首相への権力集中は驚くべき変化ではない。むしろ二大政党制を指向して小選挙区制を導入した時点で、望まれていたことなのだ。

■民主主義の観点から首相への権力集中を注視

しかし、民主制という考え方は権力集中と相反する。そもそも議会制民主主義というのは、ヨーロッパの王国で王の権力を抑制するための議会に発している。主権を預る国家権力をコントロールすることは根本的に重要なのだ。

三権分立は過度な権力集中を防ぐための制度である。したがって今回の解散・総選挙で、首相(行政府の長)が国会(立法府)より強い立場に立ったことには注意をしておかなくてはならない。われわれ選挙民が改革へのリーダーシップを期待して首相への権力集中を容認したのであれば、われわれは権力の濫用や権力のさらなる集中に、いつでもブレーキをかけられるよう準備をしておかなくてはならない。

※1: 過去の首相の在任期間はおおむね2年以内だという。
小泉政権3年/目立つ安保の突出ぶり
総選挙の後に見えるもの… それは首相の大統領化か?

※2: 2名を説得、1名は辞表を受け取らず罷免した。
解散反対閣僚別室で説得 首相、島村農相を罷免

※3: 選挙制度改革は1994年、導入後の最初の総選挙は1996年。
衆議院議員選挙制度の変遷
小泉純一郎の大勝とドイツ総選挙の混迷(9/30)

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2005年9月 4日 (日)

総選挙と「YES! PROJECT」

YES! PROJECT というのがある。グロービスの堀義人さんが呼びかけ人となって始められた運動だ。

意外かも知れないが、僕はこの運動に素直に賛同できない。堀さんは知らない人ではないし、パワフルな起業家たちによる運動を敵に回すつもりはないし、ケチをつけたいわけでもない。しかし、民主主義社会の実現を切に願う一人として、黙っているわけにはいかない。

ちなみに、YES というのは Young Entrepreneurs Society (若手起業家の仲間)の略称だが、同時に

選挙に行きますか? YES!
改革をしたいですか? YES!
もっと発言しますか? YES!

という3つの「YES運動」を表している。

別にケチをつけるような悪い運動ではない。いやむしろ、これまで政治に関心の薄かった20~40代前半のブログ世代の若手に、政治参加を呼びかけるという意味では、立派ですばらしい運動ではないか。しかも、政治とは無縁だったと思われるような、若手の経営者たちが発起人だ。

なぜ素直に賛同できないか?

1)選挙に行きますか?
 まだ迷っている。前回の総選挙(2003年11月)から2年も経っていないのに、また選挙。今回の解散は、小泉首相の政治的信条である「郵政民営化」を実現するためのわがままでしかない。それに「郵政民営化の是非を問う国民投票的選挙」というのは、総選挙を単一争点化する悪用だ。とはいえ結果的に現政権に有利になるので、野党に票を投じなければと思う一方で、投票に行けばそんな選挙自体を支持したことになるのでは、と迷うのだ。

2)改革をしたいですか?
 3つYESの中に「改革をしたい」という項目を含める意味がわからない。「改革」という言葉に、小泉政権の「改革」を訴え、改革の中身を示さないやり方を連想するからかもしれない。発起人に現政権を支持する意図がないとしても、何を「改革」するか、どのような状態に向けて「改革」するかを具体的に示さずに、「YES」と言うのは(あるいは言わせるやり方は)、同じレベルでしょう。「わが社を改革しよう」では経営者は務まらないのは、よくわかっているはずなのに。

3)もっと発言しますか?
 YES! これだけは素直にYES。ブログなど政治に発言する機会が増えるのはよいと思う。そういう面ではこのプロジェクトは積極的に支持したい。ついでに、ネット関連業界が圧力団体になって、公職選挙法の改正を働きかけてもらうのがよいかもしれない。市場も広がるし。(笑、素直じゃなくてごめんなさい)■

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